産経ニュース(ネット)
がん化防止解明へ前進 細胞の「自食作用」バランス重要 大阪大
2009.3.9 03:00

 細胞内の病原菌などを分解する「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる生命活動に必要なタンパク質の働きの一つを、大阪大学微生物病研究所の吉森保教授らのグループが解明し、8日付の英科学誌ネイチャーセルバイオロジー(電子版)に発表した。
  自食作用を促進する物質とブレーキをかける物質があり、このバランスが崩れるとガンなどの異常が起きる可能性が示された。吉森教授は「細胞のガン化を防ぐ仕組みを知る上で大きな手がかりが得られた」と話している。 オートファジーには、細胞に感染した病原菌を分解する役割や、心不全や糖尿病を防ぐ役割があるとされる。吉森教授らはオートファジーに必要なタンパク質の一つ「ベクリン」の遺伝子を破壊したマウスで、ガンが多発することに注目。2種類の異なるタンパク質がベクリンと結合すると、オートファジーの働きが抑制されたり、促進されたりすることを発見した。

時事ドットコム(ネット)
2種類のたんぱくが制御=栄養不足支える細胞自食で?大阪大
 細胞内の栄養が不足したり、老廃物のたんぱく質がたまったりしたときに自らを分解するオートファジー(自食作用)の制御に2種類のたんぱく質が関与していることを大阪大微生物病研究所の吉森保教授らのグループが発見し、9日、英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版で発表した。
  オートファジーとは細胞内のオートファゴソームという脂質が老廃物のたんぱく質を分解、リサイクルし、栄養不足を補ったり新陳代謝を進めたりする働き。機能が衰えて老廃物がたまると、アルツハイマーのような症状が起きる。
  吉森教授はオートファジーに不可欠なベクリンというたんぱく質に着目。新たに発見したAtg14Lとルビコンという2種類のたんぱく質がベクリンと結合すると、オートファジーをそれぞれ促進、抑制することを突き止めた。
  ベクリンを持たないマウスにはがんが多発することが分かっており、吉森教授は「ベクリンの働きの仕組みがさらに解明できれば、がんやアルツハイマー症の治療薬開発の鍵になるかもしれない」と語った。( 2009/03/09-03:04 )


47news (共同通信・ネット)
細胞内の掃除、仕組み解明 がん治療に応用も
 細胞内の老廃物や異物を“掃除”して、細胞の健康を維持する「自食作用」と呼ばれる仕組みの一端を、大阪大の吉森保教授らのチームが解明し、8日付の英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に発表した。
  自食作用を促進する物質と、ブレーキをかける物質があるのを発見。このバランスが崩れると、がんなどの異常が起きる可能性が示された。吉森教授は「より詳しい仕組みが分かれば、がん治療に応用できるかもしれない」と話している。
  チームは、自食作用を担うタンパク質の一種「ベクリン」に着目。これにAtg14Lという物質がくっつくと作用が強まり、ルビコンという別の物質がくっつくとブレーキがかかるのを突き止めた。 2つの物質は複雑な仕組みでバランスを取っているとみられ、チームはこれが細胞のがん化を防ぐのに不可欠とみている。 2009/03/09 03:02 【共同通信】

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