Michisuke Yuzaki

 

慶應義塾大学医学部

生理学I(神経生理学)

教授 医学博士

 

住所160-8582 新宿区信濃町 35

Tel:03-5363-3749

Fax:03-3359-0437

e-mail: myuzaki@sc.itc.keio.ac.jp

URL: http://web.sc.itc.keio.ac.jp/physiol/yuzaki/index.htm

【略歴】

1985年自治医科大学医学部卒

1992年日本学術振興会特別研究員

1993年自治医科大学大学院医学研究科修了

1993年米国ロッシュ分子生物学研究所留学(Human Frontier Science Program長期海外研究員)

1995年米国セントジュード小児研究病院発達神経生物学助教授

2002年米国セントジュード小児研究病院発達神経生物学準教授

2003年慶應義塾大学医学部生理学I教授

 

【研究課題名】

神経細胞における極性輸送を支える新しいトラフィック制御機構

 

 神経細胞は、樹状突起と軸索という、機能的・構造的に大きく異なった領域をもった極性細胞である。哺乳類の神経細胞における情報伝達は、軸索末端から放出されるグルタミン酸が、樹状突起上の細胞膜に存在するグルタミン酸受容体に結合することにより成立する。したがって、神経細胞の極性とその維持は、神経細胞の情報伝達と記憶維持の発現に必須である。近年、神経細胞の極性形成機構や、樹状突起や軸索へ選択的に輸送される膜タンパク質に共通して存在するアミノ酸配列について大幅に解明が進んだ。しかし、形成された極性にしたがって、一体、どのように膜タンパク質が選別されて極性輸送されるのかについては、神経細胞においてはほとんど分かっていない。本研究課題では、グルタミン酸受容体の樹状突起選択的輸送に焦点を当て、極性輸送に必須な分子として私たちが同定したタンパク質Dendrite-targeting protein (DTP)の機能を分子・細胞・個体レベルで統合的に解明することを目指す。

 

【本研究に関連する代表的論文3編】

 

1. Matsuda, S., Matsuda, K., Yuzaki, M. (2006) A new moitf necessary and sufficient for stable localization of the delta2 glutamate receptors at postsynaptic spines. J. Biol. Chem. 281, 17501-17509.

2. Kakegawa, W., Yuzaki, M. (2005) Novel mechanism underlying AMPA receptor trafficking during cerebellar long-term potentiation. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 102, 17846–17851.

3. Hirai, H., Pang, Z., Bao, D., Miyazaki, T., Li, L., Miura, E., Parris, J., Rong, Y., Watanabe, M., Yuzaki, M.*, Morgan, J.I. (2005) Cbln1 is essential for synaptic integrity and information processing in the cerebellum. Nat. Neurosci., 8, 1534-1541. (*co-corresponding author)

 

【今一番やりたいこと・言いたいこと】

 引き続き公募班員に選んでいただき、色々と勉強させていただきました。今度は、もっとこちらからこの領域研究の発展に貢献するような成果を出すことを目標にしています。「南の島のビーチで、好きな本を読みながらマルガリータ・・・」というのも課題として残っています。