吉田 優 Masaru Yoshida
神戸大学医学部附属医学医療国際交流センター
難治性疾患病態解析分野・助手
医学博士
住所:650-0017
神戸市中央区楠町7-5-1
Tel:078-382-6305
Fax:078-382-6309
e-mail:
myoshida@med.kobe-u.ac.jp
URL: http://www.med.kobe-u.ac.jp/gi/index.html
【略歴】
1992年 神戸大学医学部卒
2000年 京都大学大学院医学研究科修了
2001年 米国Harvard大学医学部,リサーチフェロー
2004年 同上,インストラクター
2005年 神戸大学医学部,助手
【研究課題名】
胎児性ガンマ免疫グロブリン受容体を介したガンマグロブリンの分泌機構とその役割
ヒト分泌液中には分泌型IgAだけでなく多量のIgGも検出される.polymeric immunoglobulin 受容体によるIgAの管腔内への分泌機構についてはよく研究されているが、IgGの分泌機構ならびに分泌液中に存在するIgGの役割についてはまだよく知られていない.Neonatal Fc receptor for IgG (FcRn)は、げっ歯類新生児期の小腸腸管上皮に発現し母体から新生児にIgGを輸送する受容体分子として同定された.現在までにFcRnはヒトおよびげっ歯類の腸管上皮細胞だけでなく肝臓・肺・血管内皮細胞などに終生発現し,IgG輸送に関わっていることが示唆されている.これまで細胞モデル・個体モデルを用いてFcRnがIgGの管腔側へ輸送するだけでなく,IgG・免疫複合体を管腔から取り込み,粘膜下に存在する抗原提示細胞に輸送し,粘膜関連リンパ組織のCD4陽性T細胞を活性化することを明らかにしてきた.今回はFcRnによるIgGならびにIgG・免疫複合体の輸送が腸管感染症に対してどのような意義をもっているか,またFcRnがどのような分子を介してIgGならびにIgG・免疫複合体の輸送を行うのかを解明する.
【本研究に関連する代表的論文3編】
1. Yoshida M, Kobayashi
K, Kuo TT, Bry L, Glickman JN, Claypool SM, Kaser A, Nagaishi T, Higgins D,
Mizoguchi E, Wakatsuki Y, Roopenian DC, Mizoguchi A, Lencer WI and Blumberg
RS. (2006) Neonatal Fc receptor
for IgG regulates mucosal immune responses to luminal bacteria J Clin
Invest. (In press)
2. Yoshida M, Claypool SM, Wagner JS, Mizoguchi E,
Mizoguchi A, Roopenian DC, Lencer WI, Blumberg
RS. (2004) Human neonatal Fc
receptor mediates transport of IgG into luminal secretions for delivery of
antigens to mucosal dendritic cells.
Immunity, 20, 769-83.
3. Claypool SM, Dickinson BL, Yoshida M, Lencer WI,
Blumberg RS. (2002) Functional Reconstitution of Human FcRn in MDCK Cells Requires
Co-expressed Human b2m. J Biol Chem. 277, 28038-50.
【今一番やりたいこと・言いたいこと】
今年から特定領域研究,トラフィックに参加させていただいております.FcRnによるIgG輸送機序とその役割を,基礎・臨床の両面から明らかにしたいと考えています.