横 関 健 昭 Takeaki Yokozeki
筑波大学
大学院人間総合科学研究科(基礎医学系)
講師 理学博士
住所:305-8575 つくば市天王台1-1-1
Tel:029-853-3115
Fax:029-853-3271
e-mail: tyokozek@md.tsukuba.ac.jp
URL: http://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/biochem/kanaholab/index.html
【略歴】
1995年東京工業大学生命理工学部卒
2000年東京工業大学大学院生命理工学研究科修了
2000年仏国Institut Curie留学
2003年東京都臨床医学総合研究所研究員
2005年筑波大学大学院人間総合科学研究科講師
【研究課題名】
ホスホイノシチドキナーゼによるシナプス小胞リサイクリング制御機構の解析
ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)を介するエンドサイトーシス機能の発現にはPIP2の時空的な産生調節が重要であり、この調節はPIP2産生酵素であるホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)の活性制御機構に依存する。哺乳動物PIP5Kにはa, b, gが同定されている。最近我々は、PIP5Kgがクラスリン被覆アダプターのAP-2と特異的に相互作用し、顕著に活性化されることを見出した。我々はPIP5Kが低分子量G蛋白質のARF6と直接結合して活性化されることも示している。これらの知見は、PIP5Kg, AP-2, ARF6の3者が蛋白質複合体を形成してクラスリン依存性エンドサイトーシスにおいて重要な役割を果たすことを強く示唆するものであった。AP-2などのクラスリン被覆アダプター蛋白質群はPIP2と直接結合することから、この結合を介して細胞膜の小胞出芽部位に集積した後、クラスリンがこれらのアダプター被覆複合体を編み目状に覆い、クラスリン被覆小胞を形成する。我々が予想しているPIP5Kg・AP-2・ARF6複合体はPIP2結合性被覆アダプター構成因子であるのと同時にPIP2産生活性を有することから、小胞出芽部位における爆発的PIP2産生とPIP5Kg・AP-2・ARF6複合体を含む被覆蛋白質の連続的リクルートが想定され、新奇のクラスリン依存性エンドサイトーシスの制御モデルが考えられる。我々は、この新奇の仮説について検討を行う。
【本研究に関連する代表的論文3編】
2. Miyazaki, H.,
Yamazaki, M., Watanabe, H., Maehama, T., Yokozeki, T., Kanaho, Y. (2005)
The small GTPase ADP-ribosylation factor 6 negatively regulates dendritic spine
formation. FEBS Lett. 579, 6834-6838
3. Yokozeki, T., Adler, K.,
Lankar, D., and Bonnerot, C. (2003) B cell receptor-mediated Syk-independent
activation of phosphatidylinositol 3-kinase, Ras, and mitogen-activated protein
kinase pathways. J Immunol. 171, 1328-1335
【今一番やりたいこと・言いたいこと】
わかっているようで未だ謎が多い小胞輸送とリン脂質代謝との関係について、ひとつひとつその謎を紐解けるよう頑張ります。