山 本 朗 仁 Akihito Yamamoto
独立行政法人理化学研究所
発生・再生科学総合研究センター ボディープラングループ
研究員 歯学博士
住所:650-0047 神戸市中央区港島南町2−2−3
Tel:078-306-3149
Fax:078-306-3148
e-mail:
akihito@cdb.riken.jp
【略歴】
1988年長崎大学歯学部卒
1992年長崎大学大学院歯学研究科修了
1992年長崎大学歯学助手
1995年米国UCLA留学
1999年熊本大学発生医学研究所講師
2001年理化学研究所発生・再生科学総合研究センター研究員
【研究課題名】
小胞体内シグナリング制御機構と初期発生
初期胚形成においては、多様なシグナリング分子とその抑制分子の相互作用が正しい胚構造を導いていく。シグナリングに中心的役割を果たす細胞外分泌因子やレセプターは小胞体内において機能的高次構造を獲得し、細胞膜へと輸送され機能を果たすが、同過程を制御してシグナリング活性をコントロールする分子メカニズムは多くが未知のままである。我々はアフリカツメガエルの頭部神経組織発生を制御する小胞体分子 Shisaを同定し、その分子機能と発生生物学的役割について研究を続けてきた。Shisaは原腸胚の後方化シグナルである、WntシグナリングのレセプターFrizzledとFGFレセプターを小胞体内に留め、蛋白質成熟過程と細胞膜への輸送を阻害する。Shisaの過剰発現は初期胚を前方化する。機能抑制はFzの細胞膜輸送を促進し、Wntリガンド刺激に対する応答性を高めることで予定頭部神経組織を後方化する。これらの研究結果は、小胞体が積極的に特定シグナリング制御にかかわる可能性を示唆する。本研究では小胞体内における詳細なShisa機能の解析により小胞体内シグナリング制御分子メカニズムの解明を目指す。さらにShisa関連分子群が同定されており、これらの分子群がシグナリング制御に果たす役割についても明らかにする。
【本研究に関連する代表的論文】
1. Nagano T, Takehara S, Takahashi M, Aizawa S, Yamamoto A. Shisa2 controls the maturation
of somitic precursors and transition to the segmental fate in Xenopus embryos. Submitted
2. Yamamoto A, Nagano
T, Takehara S, Hibi M, Aizawa S. (2005) Shisa promotes head
formation through the inhibition of receptor protein maturation for the caudalizing
factors, Wnt and FGF. Cell, 120: 223-235.
【今一番やりたいこと・言いたいこと】
今回班員に加えていただけたチャンスを生かして細胞内輸送について勉強させて頂きたいと考えています。