Yoshihiko Tanaka

 

九州大学 生体防御医学研究所

個体機能制御学部門 免疫遺伝学分野

助手 博士(医学)

 

住所812-8582 福岡市東区馬出3-1-1

Tel092-642-6828

Fax092-632-0150

e-mail: ytanaka@bioreg.kyushu-u.ac.jp

URL: http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/iden/

【略歴】

1991年熊本大学医学部卒

1999年熊本大学大学院医学研究科修了

1999年米国ラホヤ免疫アレルギー研究所ポスドク

2003年米国ラホヤ免疫アレルギー研究所リサーチサイエンティスト

2004年九州大学生体防御医学研究所助手

 

【研究課題名】

IL-4受容体のメンブレントラフィックにおけるCDMファミリー分子DOCK2の役割

 

 受容体のエンドサイトーシスとそれに伴う分解は、シグナル伝達を終結させる上で極めて重要な意味を持つ。IL-4はTh2細胞への分化に必須のサイトカインであり、IgEの産生を介してアレルギー反応に関わることが知られている。IL-4は、IL-4Ra鎖とcommon g鎖からなる受容体に結合することで、STAT6 のリン酸化を初めとする一連のシグナル伝達経路を活性化するが、IL-4受容体の分解に至るカスケードは不明である。我々は、リンパ球Rac活性化の「master regulator」であるDOCK2を欠損することで重篤なアレルギーが惹起され、これがIL-4Ra鎖のリソソームへのトラフィックの異常に起因する可能性を見いだした。本研究は、IL-4Ra鎖のリソソームでの分解に至る選別輸送の詳細とそれにおけるDOCK2の役割を解明にすると共に、アレルギー発症との因果関係を個体レベルで明らかにすることで、IL-4Ra鎖メンブレントラフィックの生体防御システムにおける重要性を実証することを目指す。

 

【本研究に関連する代表的論文3編】

1. Kunisaki, Y., Tanaka, Y., Sanui, T., Inayoshi, A., Noda, M., Nakayama, T., Harada, M., Taniguchi, M., Sasazuki, T., Fukui, Y. (2006) DOCK2 is required in T cell precursors for development of Va14 natural killar T (NKT) cells. J. Immunol., 176, 4640-4645.

2. Tanaka, Y., So, T., Lebedeva, S., Croft, M., Altman, A. (2005) Impaired IL-4 and c-Maf expression and enhanced Th1 cell development in Vav1-deficient mice. Blood, 106, 1286-1295.

3. Tanaka, Y., Bi, K., Kitamura, R., Hong, S., Altman, Y., Matsumoto, A., Tabata, H., Lebedeva, S., Bushway, P., Altman, A. (2003) SWAP-70-like adapter of T cells, an adapter protein that regulates early TCR-initiated signaling in Th2 lineage cells. Immunity, 18, 403-414.

 

【今一番やりたいこと・言いたいこと】

 本研究を通して、メンブレントラフィックという視点から、免疫アレルギー疾患に対する治療法の開発にブレークスルーをもたらすような有意義な成果をあげたい。