田口 友彦  Tomohiko Taguchi

 

大阪大学医学部生化学

21世紀COE 特任助教授(理学博士)

 

住所565-0871 吹田市山田丘2-2

Tel06-6879-3421

Fax06-6879-3429

e-mail : tom_taguchi@biochem.med.osaka-u.ac.jp

 

 

【略歴】

1992年     東京大学理学部生物化学科卒業

1997年     東京大学大学院理学系研究科生物化学科博士課程修了

1997-1999  理化学研究所基礎特別研究員

1999年–2004年 米国エール大学細胞生物学部門へ留学

2004年—現在   大阪大学医学部生化学21世紀COE 特任助教授

 

 

【研究課題名】

リサイクリングエンドソームを構成する分子基盤の研究

 

 リサイクリングエンドソーム(RE)は核近縁部に細胞種を問わず存在する細胞小器官であり、エンドサイトーシスにより細胞内部へと取り込まれた物質を細胞膜へとリサイクルする際に必要な細胞小器官として1980年代初頭に認識された比較的歴史の浅い細胞小器官である。応募者は、REが上述したリサイクリングの経路のみならず、ゴルジ体から細胞膜へと至るエキソサイトーシスの経路にも関与していることを近年明らかにした。またコレラ毒素などの細胞膜から小胞体へ向けて逆行輸送される物質に関してもRE通過の必要性を見出している。これら一連の結果は、ゴルジ体ではなくREこそが細胞内膜輸送における中央配送センターとして機能していることを強く示唆するものであり興味深い。

 本研究計画では、REの生化学的単離、rabタンパク質の網羅的スクリーニング(福田光則先生との共同研究)などを通じて、REのレジデントタンパク質を同定することを目標とする。レジデントタンパク質を明らかにすることができれば、細胞生物学的・分子細胞学的手法によって、RE上での膜輸送がどのように細胞にとって意味を持つのか、初めて厳密に評価することができよう。

 

 

【本研究に関連する代表的論文3編】

1. Ang, A. L., Taguchi, T., Francis, S., Folsch, H., Murrells, L. J., Pypaert, M., Warren, G., and Mellman,

   I. (2004). Recycling endosomes can serve as intermediates during transport from the Golgi to the

   plasma membrane of MDCK cells. J Cell Biol 167, 531-543.

2. Taguchi, T., Pypaert, M., and Warren, G. (2003). Biochemical sub-fractionation of the Mammalian

   Golgi apparatus. Traffic 4, 344-352.

3. Seemann, J., Pypaert, M., Taguchi, T., Malsam, J., and Warren, G. (2002). Partitioning of the matrix

   fraction of the Golgi apparatus during mitosis in animal cells. Science 295, 848-851.

 

【今一番やりたいこと・言いたいこと】

 リサイクリングエンドソームの不思議さに魅了されて、早3年が経とうとしています。生化学的単離を含めて、リサイクリングエンドソームの細胞内膜輸送に果たしている役割を一歩一歩明らかにしていきたいです。