多賀谷光男
東京薬科大学・生命科学部・教授
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: tagaya@ls.toyaku.ac.jp
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略歴
1980年3月 大阪大学理学部化学科卒業
1985年3月 大阪大学大学院理学研究科生物化学専攻修了
大阪大学産業科学研究所・教務職員を経て同助手
1989年〜1991年 米国プリンストン大学・博士研究員
1994年1月 東京薬科大学生命科学部・助教授
1997年4月 東京薬科大学生命科学部・教授 現在に至る
本領域における研究課題名
「小胞体t/Q-SNARE複合体の多様な役割の解明」
研究課題の内容と計画の概略
小胞体とゴルジ体は順行輸送と逆行輸送の双方向の輸送を介してコミュニケーションしている。輸送のバランスは厳密にコントロールされていると考えられているが、分子レベルでどのように調節されているのかはまだほとんどわかっていない。我々は、小胞体のt/Q-SNAREであるsyntaxin18(Syn18)がZW10(紡錘体形成チェックポイントに関与)、RINT-1(Rad50結合タンパク質でG2/M期のチェックポイントに関与)、BNIP1(BH3-onlyタンパク質としてアポトーシスに関与)、p31などと結合していることを明らかにした。いくつかの証拠はSyn18複合体が逆行輸送と順行輸送の接点として機能していることを示唆している。本研究では小胞体t/Q-SNARE複合体(Syn18、p31、BNIP1)の双方向性輸送における多様な役割を解明し、さらにBNIP1の有する新たな機能について解明を進める。
研究課題に関連する代表的論文
○ Arasaki, K., Taniguchi, M., Tani, K., and Tagaya, M. (2006). RINT-1 regulates the localization and entry of ZW10 to the Syntaxin 18 complex. Mol. Biol. Cell 17, 2780-2788.
○ Nakajima, K., Hirose, H., Taniguchi, M., Kurashina, H., Arasaki, K., Nagahama, M., Tani, K., Yamamoto, A., and Tagaya, M. (2004). Involvement of BNIP1 in apoptosis and endoplasmic reticulum membrane fusion. EMBO J. 23, 3216-3226.
○ Hirose, H., Arasaki, K., Dohmae, N., Takio, K., Hatsuzawa, K., Nagahama, M., Tani, K., Yamamoto, A., Tohyama, M., and Tagaya, M. (2004). Implication of ZW10 in membrane trafficking between the endoplasmic reticulum and Golgi. EMBO J. 23, 1267-1278.
研究以外にやりたいこと、研究の次に大事なこと
日本社会も学問の世界も「競争原理」の名の下に、富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなっている。地味ではあるがオリジナルな研究を行っている者が認められる、年齢にも性別にも関係しない公正な評価制度ができることを、一人の研究者として切に願っている。