十川久美子 Kumiko
Sakata-Sogawa
独立行政法人理化学研究所
免疫・アレルギー科学総合研究センター
免疫1分子イメージング研究ユニット
研究員 博士(情報科学)
住所:230-0045 横浜市鶴見区末広町1-7-22
Tel:045-503-9693
Fax:045-503-9691
e-mail:
ksogawa@riken.jp
【略歴】
1976年 大阪大学大学院理学研究科修士課程修了
1978年-1992年 育児のため研究中断
1993年 理化学研究所フォトダイナミクス研究センターテクニカルスタッフ
2000年 東北大学にて学位取得
2000年 国立遺伝学研究所構造遺伝学研究センター助手
2002年 理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター研究員
【研究課題名】
1分子イメージングによる細胞内輸送の動態解析
イメージングによる輸送小胞の動態解析は、メンブレントラフィック研究における重要な方法となり、すでに目覚ましい研究成果が上げられてきている。輸送されるタンパク質および輸送に関わるタンパク質の動態に関するより多くの情報を得るためには、個々のタンパク質の1分子レベルでのリアルタイム観察および解析が強力な手法となる。われわれは、独自に蛍光1分子顕微鏡を構築し、細胞膜表面から核内をはじめとする細胞内部をリアルタイムで1分子観察できるようにした。この顕微鏡の特徴は、全反射照明法で膜表面を、薄層斜光照明法で細胞内部をというように、見たい場所に応じて照明方法を瞬時に切り換え、低背景光の鮮明な画像を得る点にある。超高感度カメラを使用することにより、励起光を弱くすることができることから、多分子の画像でも、共焦点顕微鏡に比べ、長時間の観察が可能である。本研究では、細胞膜表面受容体分子およびシグナル伝達分子に注目し、細胞表面でのタンパク質相互作用、および細胞内部へのタンパク質輸送の動態を解析し、分子機構を明らかにすることを目的とする。
【本研究に関連する代表的論文3編】
1. Yamasaki, S., Ishikawa, E., Sakuma, M., Ogata, K., Sakata-Sogawa K.,
Hiroshima, M., Wiest, D.L., Tokunaga M., Saito, T. (2006) Mechanistic basis of
pre-T cell receptor-mediated autonomous signaling critical for thymocyte
development. Nature Immunol,
7, 67-75.
2.
Yokosuka T., Sakata-Sogawa K., Kobayashi, W.,
Hiroshima, M., Hashimoto-Tane, A., Tokunaga M., Dustin, M., Saito, T. (2005) Newly
generated T cell receptor microclusters initiate and sustain T cell activation
by recruitment of Zap70 and SLP-76.
Nature Immunol, 6, 1253-1262.
3.
Sakata-Sogawa, K. Shimamoto, N. (2004) RNA
polymerase can track a DNA groove during promoter search. Proc. Nat. Acad.
Sci.U.S.A., 101, 14731-14735.
【今一番やりたいこと・言いたいこと】
細胞内での蛍光1分子の動きは、タンパク質により全く異なり、刺激などの条件変化により劇的に変化します。感動の連続です。