田 昌  Masayuki Murata

 

東京大学大学院・総合文化研究科

教授 理学博士

 

住所153-8902 目黒区駒場3-8-1

Tel03-5454-4356, 6586

Fax03-5454-6360

e-mail: mmurata@bio.c.u-tokyo.ac.jp

URL: http://www.bio.c.u-tokyo.ac.jp/labs/murata/

【略歴】

1988年京都大学大学院理学研究科修了

1989年京都大学大学院理学研究科(生物物理学教室)・助手

1993年ドイツ・ヨーロッパ分子生物学研究所・留学

1995年米国・カリフォルニア大学・バークレー校・留学

1996年岡崎国立共同研究機構・生理学研究所・助教授

2003年東京大学大学院・総合文化研究科・教授

 

【研究課題名】

ER exit sitesの構造形成・機能発現制御機構の解明

 

 ER exit sites (ERES)は、小胞体(ER)からゴルジ体へ向かう輸送小胞の形成プラットフォームである。われわれは、膜タンパク質であるYip1AをERESのマーカー膜タンパク質とし、M期におけるERES構造体分解の制御機構を明らかにした。また、分割ユビキチン式膜タンパク質酵母two-hybrid法を中心的手法としてYip1Aの膜貫通部位と膜中で相互作用するタンパク質を網羅的に探索し、Yip1AのERES局在化機構と小胞体→ゴルジ体間小胞輸送制御機構の関連を研究してきた。今までに、Yip1Aの細胞質側N末領域がYip1AのERES局在化に重要であること、Yip1AにはCOPIIコート複合体やCOPII小胞形成に必要な細胞質タンパク質やcargo膜タンパク質が相互作用していることなどが徐々に明らかになってきた。これらの知見を基に、われわれが独自に開発している「単一のセミインタクト細胞を用いた可視化アッセイ技術」を最大限に活用し、Yip1A の機能とERESへの局在化機構を中心にERESの構造形成・機能発現制御機構を明らかにしたい。

 

【本研究に関連する代表的論文3編】

1.Kano, F., Kondo, H., Yamamoto, A., Kaneko, Y., Uchiyama, K., Hosokawa, N., Nagata, K., Murata, M. (2005) NSF/SNAPs and p97/p47/VCIP135 are sequentially required for cell cycle-dependent reformation of nthe ER network. Genes to Cells, 10, 989-999.

2.Kano, F., Kondo, H., Yamamoto, A., Tanaka, A.R., Hosokawa, N., Nagata, K., Murata, M. (2005) The maintenance of the ER network is regulated by p47, a cofactor of p97, through phosphorylation by cdc2 kinase. Genes to Cells, 10, 333-344..

3.Kano, F., Tanaka, A.R., Yamauchi, S., Kondo, H., Murata, M.(2004) Cdc2 kinase-dependent disassembly of endoplasmic reticulum (ER) exit sites inhibits ER-to-Golgi vesicular transport during mitosis. Mol. Biol. Cell. 15, 4289-4298.

 

【今一番やりたいこと・言いたいこと】

 最近,いろいろな生命現象における「タイミング」が気になっています。メンブレントラフィックの研究にもそんな要素を入れた解析システムの必要性を感じています。