水島 昇  Noboru Mizushima

 

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科

細胞生理学分野

教授 医学博士

 

住所:〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45

Tel03-5803-5158

Fax03-5803-0118

e-mail: nmizu.phy2@tmd.ac.jp

URL: http://www.tmd.ac.jp/med/phy2/phy2-J.html

【略歴】

1991年東京医科歯科大学医学部卒

1996年東京医科歯科大学大学院医学研究科修了

1996年日本学術振興会特別研究員

1999年科学技術振興事業団さきがけ研究21研究員(専任)

2002年岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所 助手

2004年(財)東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所 副参事研究員

2006年東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 細胞生理学分野 教授

 

【研究課題名】

オートファゴソームの数と大きさの制御機構

 

 オートファジーはリソソームを分解の場とする細胞質成分の大規模分解系である。オートファジーは隔離膜という膜で取り囲んだ直径約1μmの範囲の細胞質成分をまとめて分解する主として非特異的な分解系である。オートファジーの主な目的は、恒常的な細胞内新陳代謝であるとともに、栄養飢餓時などに特に誘導されて糖新生やエネルギー産生の材料となるアミノ酸を提供することにある。すなわちオートファジーはその活性を動的に制御することによって、細胞内浄化と栄養制御を担う生体システムといえる。オートファジーによる分解活性を制御しうるステップは(1)隔離膜の形成誘導、(2)隔離膜の伸長、(3)オートファゴソームとリソソームの融合、(4)リソソーム内での分解である。この中でもっとも大きな影響を与えていると考えられるのは(1)と(2)、すなわちオートファゴソームの数(形成頻度)と大きさ(隔離基質の量)の制御である。実際、線維芽細胞や様々な組織では、栄養飢餓によってオートファゴソームの数が増えると同時にサイズも大きくなることを確認している。そこで、本申請課題では、オートファジー隔離膜の形成誘導と伸長のふたつのステップに焦点を当て、そのメカニズムを哺乳類細胞および個体を用いて解明することを目的とする。

 

【本研究に関連する代表的論文3編】

1. Hara, T., Nakamura, K., Matsui, M., Yamamoto, A., Nakahara, Y., Suzuki-Migishima, R. Yokoyama, M., Mishima, K., Saito, I., Okano, H., Mizushima, N. (2006) Suppression of basal autophagy in neural cells causes neurodegenerative disease in mice. Nature 441, 885-889.

2. Kuma, A., Hatano, M., Matsui, M., Yamamoto, A., Nakaya, H., Yoshimori, T., Ohsumi, Y., Tokuhisa, T., Mizushima, N. (2004) The role of autophagy during the early neonatal starvation period. Nature. 432, 1032-1036.

3. Mizushima, N., Yamamoto, A., Matsui, M., Yoshimori, T. and Ohsumi, Y. (2004) In vivo analysis of autophagy in response to nutrient starvation using transgenic mice expressing a fluorescent autophagosome marker. Mol. Biol. Cell 15, 1101-1111.

 

【今一番やりたいこと・言いたいこと】

研究がしたい