小松 雅明  Masaaki Komatsu

 

順天堂大学医学部

生化学第一講座 

助手 医学博士

住所:113-8421 東京都文京区本郷2-1-1

Tel03-5802-1031

Fax : 03-5802-5889

e-mail: mkomatsu@rinshoken.or.jp

 

 

URL:http://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/seikagaku_saibo_seigyo/index.html

 

略歴】

1995年 明治大学農学部卒業

1997年 筑波大学大学院バイオシステム研究科修了

2001年 順天堂大学大学院医科学研究科修了

2001~2002年 順天堂大学医学部ポスドク

2002~2004年 東京都臨床医学総合研究所分子腫瘍学研究部門常勤流動研究員

2004年~現在 順天堂大学医学部生化学第一講座助手 /東京都臨床医学総合研究所先端研究センター特別研究員

 

【研究課題名】

オートファジーによる選択的なユビキチン化タンパク質輸送機構の解明

ユビキチン化によって分解を定められた蛋白質は、プロテアソームもしくはMVB-リソソーム経路により速やかに分解される。これらの破綻は、パーキンソン病・ハンチントン舞踏病などに代表される神経変性疾患や癌の発症原因となると考えられている。一方で、オートファジーという「単膜構造体が伸長し細胞質成分を取り囲み脂質二重膜よりなるオートファゴソームが形成され、オートファゴソームがリソソームと融合することにより細胞質成分を分解する」という真核生物に保存された蛋白質分解系の形態学的な異常が、多くの神経変性疾患・ミオパチーにおいて確認されてきた。しかしながら、オートファジーの異常と疾病発症の関連は全く不明であった。我々は条件付きにオートファジーが不能となるマウスを作製、解析し、肝臓におけるオートファジー不能マウスが栄養飢餓時の蛋白質分解阻害のみならず定常状態においてもユビキチン陽性封入体や異常オルガネラの蓄積を引き起こすことを明らかにした。さらに、脳特異的オートファジー欠損マウスを作製し、そのマウスは反射異常、自発運動・協調運動障害などの神経変性疾患様症状を示し、その神経細胞内には加齢と共にユビキチン陽性封入体が蓄積されること、大脳皮質や小脳において神経細胞死が起こることを見いだした。これらのことは、オートファジーは栄養状態が十分に供給された状況にあっても恒常的に活動し、細胞恒常性維持に大きく寄与することを意味する。本研究の目的は、作製したオートファジー不能マウスをもとに「オートファジーによるリソソームへの選択的蛋白質輸送機構の意義」を解明することにある。

【本研究に関連する代表的論文3編】

1. Komatsu M, Waguri S, Chiba T, Murata S, Iwata JI, Tanida I, Ueno T, Koike M, Uchiyama Y, Kominami E, Tanaka K. (2006) Loss of autophagy in the central nervous system causes neurodegeneration. Nature, 441, 880-4.

2. Iwata JI, Ezaki J, Komatsu M, Yokota S, Ueno T, Tanida I, Chiba T, Tanaka K, Kominami E. Excess peroxisomes are degraded by autophagic machinery in mammals. (2006) J. Biol. Chem., 281, 4035-41.

3. Komatsu M, Waguri S, Ueno T, Iwata J, Murata S, Tanida I, Ezaki J, Mizushima N, Ohsumi Y, Uchiyama Y, Kominami E, Tanaka K, Chiba T. (2005) Impairment of starvation-induced and constitutive autophagy in Atg7-deficient mice. J. Cell Biol., 169, 425-34.

【今一番やりたいこと・言いたいこと】

時間はかかりますが、新たな発見のために、マウス遺伝学に邁進したいと思っております。