Yukio Kimata

 

奈良先端科学技術大学院大学

バイオサイエンス研究科

助手 医学博士

 

住所630-0101 生駒市高山町8916-5

Tel0743-72-5643

Fax0743-72-5649

e-mail: kimata@zero.ad.jp

      kimata@bs.naist.jp

 

【略歴】

1987年大阪大学薬学部卒業

1989年大阪大学薬学研究科前期課程修了

1994年大阪大学医学研究科後期課程修了

1994年大阪大学細胞生体工学センター研究生

1995年奈良先端科学技術大学院大学遺伝子工学センター助手(2005年バイオサイエンス研究科に改組)

   (2005年〜2006年 米国テネシー州St. Jude小児研究病院客員研究員)

 

【研究課題名】

小胞体ストレスに応じたメンブレントラフィックの制御

 

 小胞体は、メンブレントラフィックの積み荷となるタンパク質が合成され、立体構造を形成するオルガネラである。小胞体ストレス応答とは、小胞体の機能不全やオーバーワークに対する、細胞の自己防衛だといえる。小胞体ストレス応答はUnfolded protein responseとも呼ばれ(完全に一致した概念では無いが)、これはそもそも、「小胞体に蓄積した構造異常タンパク質が引き金となり、分子シャペロンなど、それを処理するためのものが発現誘導される」現象であるとされている。しかし、我々を含む複数のグループの研究により、小胞体ストレス応答とメンブレントラフィックの間にダイレクトな関係があることが分かってきた。第一に、小胞体ストレス応答機構が直接に、メンブレントラフィックを制御する可能性がある。第二に、メンブレントラフィックの異常が、小胞体ストレス応答機構を活性化する。本研究では、これらの事象の仕組みを解明するとともに、他のストレスによってもメンブレントラフィックが制御されるか否かを検討したい。

 

【本研究に関連する代表的論文3編】

1. Kimata, Y., Ishiwata-Kimata, Y., Yamada, S., and Kohno, K. (2006). Yeast unfolded protein response pathway regulates expression of genes for anti-oxidative stress and for cell surface proteins. Genes Cells 11, 59-69.

2. Kimata, Y., Oikawa, D., Shimizu, Y., Ishiwata-Kimata, Y., and Kohno, K. (2004). A role for BiP as an adjustor for the endoplasmic reticulum stress-sensing protein Ire1. J. Cell Biol.. 167, 445-456.

3. Kimata, Y., Kimata, Y. I., Shimizu, Y., Abe, H., Farcasanu, I. C., Takeuchi, M., Rose, M. D., and Kohno,K. (2003). Genetic evidence for a role of BiP/Kar2 that regulates Ire1 in response to accumulation of unfolded proteins. Mol. Biol. Cell 14, 2559-2569.

 

【今一番やりたいこと・言いたいこと】

一番やりたいことは10年後の科学の礎になるような研究・・・・と、酒の席ではうそぶいていますが、現実の厳しさに打ちのめされ続けています。