今 本 尚 子 Naoko Imamoto
独立行政法人理化学研究所
中央研究所 今本細胞核機能研究室
主任研究員 医学博士
住所:351-0198 埼玉県和光市広沢2-1
Tel:048-467-9749
Fax:048-462-4716
e-mail:
nimamoto@riken.jp
URL: http://www.rike.jp/r-world/research/lab/wako/cell-dyna/index.html
【略歴】
1982年大阪大学理学部卒
1988年大阪大学大学院医学研究科修了
1988年日本学術振興会特別研究員
1990年日本学術振興会(がん)特別研究員
1992年大阪大学細胞生体工学センター助手
1993年大阪大学医学部助手
2000年国立遺伝学研究所助教授
2002年理化学研究所中央研究所主任研究員
【研究課題名】
分裂間期核の核膜孔複合体形成におけるメンブレントラフィックの役割の解析
高解像度の光学顕微鏡を用いて、ヒト培養細胞で細胞周期を通した核膜孔複合体の挙動を調べたところ、初期G1期ではパッチ状に存在していたこの構造体が、DNA複製期へと進行するのに伴ってその分布が均一化し、また、核膜上の密度も倍加することを確認した。細胞分裂間期における核膜孔複合体のダイナミクスを可視化する目的で、蛍光タグを付加した様々な核膜孔複合体構成因子の安定発現株を取得し、その細胞内局在を観察した。驚くべきことに、ある構成因子は核膜に局在するとともにゴルジ装置に局在し、別の構成因子は核膜に局在するとともにER膜に局在することを見いだした。複合体構成因子の中には核膜にのみ局在するものもある。巨大な核膜孔複合体は、いくつかのサブコンプレックスから形成されることが近年明らかにされているが、含まれるサブコンプレックスによって、構成因子がゴルジ装置やER膜に存在する印象を持つ。このことから、核膜孔複合体を構成するための前駆体構造が、サブコンプレックスのかたちでゴルジ装置やER膜に存在し、間期核における核膜孔複合体形成過程にメンブレントラフィックが関与することが強く示唆される。本研究では、間期核における核膜孔複合体の形成過程を可視化することで、メンブレントラフィックが複合体形成にどのように寄与し、その分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。メンブレントラフィックの新たな役割を明らかにすることで当該領域に貢献するとともに、申請者が専門とする細胞核研究分野と当該研究領域が有機的に結びつくことで、メンブレントラフィックを介して細胞核機能が制御されるという、細胞生物学にとって新しい概念の研究が創造されることが期待される。
【本研究に関連する代表的論文3編】
Kose, S., Furuta, M., Koike, M., Yoneda,Y. & Imamoto, N. (2005). The 70-kD heat shock cognate protein(hsc70) facilitates the nuclear export of the import receptors. J.
Cell Biol., 171,19-25.
Koike, M., Kose, S., Furuta, M., Taniguchi, N., Yokota,
F., Yoneda, Y. & Imamoto, N. (2004). β-Catenin
Shows an Overlapping Sequence Requrement but Distinct Molecular Interaction for
Its Bidrectional Passage through Nuclear Pores. J. Biol. Chem., 279, 34038-34047.
Furuta
M, Kose S, Koike M, Shimi T, Hiraoka Y, Yoneda Y, Haraguchi, T., & Imamoto,
N. (2004). Heat-shock
induced nuclear retention and recycling inhibition of importin α. Genes
Cells, 9, 429-441
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