沢 清  Kiyotaka Hatsuzawa

 

公立大学法人 福島県立医科大学

医学部 附属生体情報伝達研究所 細胞科学研究部門

助教授 博士(農学)

 

住所960-1295 福島市 光が丘1番地

Tel:024-547-1664 or 1665

Fax:024-549-8898

e-mail: hatsu@fmu.ac.jp

URL: http:// www.fmu.ac.jp/home/cellsci/saibou-top.htm

【略歴】

1989年 筑波大学 第二学群 農林学類卒業

1993年 筑波大学 大学院 農学研究科修了

1993年 東京薬科大学 生命科学部 助手

2000-2001年 ドイツ・マックスプランク研究所(Göttingen)留学

2003年 福島県立医科大学 医学部 附属研究所 講師

2006年 同 助教授

 

【研究課題名】

ファゴサイトーシスにおける小胞体・ゴルジ体からのメンブレントラフィックの解明

 

 樹状細胞やマクロファージは、ファゴサイトーシス(phagocytosis)によって細菌や死細胞などを取り込み分解処理する。これまでにphagocytosisの初期に小胞体(ER)が細胞膜と直接融合し膜成分をphagosome形成に供給することや、本来ERに局在するMHCクラスI分子群がphagosomeに送られ抗原提示反応を行うことが報告されている。従って、phagocytosisにおけるERと細胞膜あるいはphagosomeとの融合の分子機構の解明は、生物学的にも免疫系を理解する上でも重要かつ急務と思われる。本研究は、「ER局在のSNAREタンパク質(小胞輸送の膜融合装置)、syntaxin 18とSec22bが、phagocytosis初期の膜融合反応に機能する」という新しい知見にも基づき、ERだけでなくゴルジ体からのphagocytosis時のメンブレントラフィックの解明を目的とする。ERについては上記SNAREタンパク質の機能制御の解析を行い、またゴルジ体については、インターフェロンガンマーにより発現誘導されゴルジ体に局在し、phagocytosis時にphagosome上に局在するp47 GTPase ファミリーのLRG47について、その局在化機構とphagocytosis時の機能を解析する。

 

【本研究に関連する代表的論文3編】

1. Hatsuzawa, K., Tamura, T., Hashimoto, H., Hashimoto, H., Yokoya, S., Miura, M., Nagaya, H., Wada, I. (2006). Involvement of Syntaxin 18, an Endoplasmic Reticulum (ER)-localized SNARE Protein, in ER-mediated Phagocytosis. Mol. Biol. Cell. in press (PMID: 16790498)

2. Okumura, A. J., Hatsuzawa, K., Tamura, T., Nagaya, H., Saeki, K., Okumura, F., Nagao, K., Nishikawa, M., Yoshimura, A., Wada, I. (2006). Involvement of a novel Q-SNARE, D12, in quality control of the endomembrane system. J. Biol. Chem. 281, 4495-506.

3. Hatsuzawa, K., Hirose, H., Tani, K., Yamamoto, A., Scheller, R.H., Tagaya, M. (2000). Syntaxin 18, a SNAP receptor that functions in the endoplasmic reticulum, intermediate compartment, and cis-Golgi vesicle trafficking. J. Biol. Chem. 275, 13713-13720.

 

【今一番やりたいこと・言いたいこと】

 ・phagocytosisの時、本当にERは細胞膜と融合するのか・・・SNAREタンパク質の調節機構を含め、様々な角度からphagocytosisを探ることで明らかにできればと思っています。

・ビール片手にオシムJAPANの試合観戦(南アフリカW杯までは・・・)を楽しむ。